欠員は最初からいなかった

財団日本支部第六収容サイトに配属されて三年になります。 こういうことを個人的な日記に書いていいのか、本当はよく分かりません。 でも、相談できる人がいないので書きます。 電子端末に残すと監査で見つかるかもしれないので、紙に書くことにしました。 紙なら大丈夫だと思います。 第一勤務…

7331字 約10分

 財団日本支部第六収容サイトに配属されて三年になります。

 こういうことを個人的な日記に書いていいのか、本当はよく分かりません。

 でも、相談できる人がいないので書きます。

 電子端末に残すと監査で見つかるかもしれないので、紙に書くことにしました。

 紙なら大丈夫だと思います。

第一勤務週 「配置換え」

9月3日(月) 晴れ

 今日から文書保全課第二資料係ではなく、人事補助室付になりました。

 地下四階です。

 地下四階は空気が少しぬるくて嫌です。地上はまだ暑いのに、地下は一年中同じ温度です。廊下が長く、途中で二回も消毒ゲートがあります。職員証を見せても、毎回止められます。

 近くに低危険度オブジェクトの保全庫と焼却前保管室があるので、消毒だけは厳重です。

 人事補助室の仕事は、退職者、死亡者、転属者の私物整理と書類の仕分けだそうです。

 退職といっても普通の会社みたいな退職ではありません。

 殉職、収容違反、精神汚染、存在論的汚染、長期入院、情報災害曝露、記憶処置後再配置、その他。

 その「その他」が一番多いです。

 室長の梶原さんは、最初にこう言いました。

「ここは気楽でいいよ。相手が文句を言ってこない仕事ばかりだから」

 あまり良い冗談ではないと思いました。

 人事補助室には古い書庫と、棚と、灰色のスチール机が二つあります。

 もう一つ、壁際にとても古い戸棚がありました。木製です。サイト内で木の家具は珍しいです。火災対策の関係でだいたい全部金属製だからです。

 戸棚には白いラベルが貼ってありました。

欠員処理済

 それだけ書かれてました。

 中は見せてもらえませんでした。

9月4日(火) 曇り

 地下四階は静かです。

 研究棟の職員は、だいたいみんな話し方が速いです。歩くのも速いです。こちらがまだ書類の端を揃えているあいだに次の指示を出してきます。

 地下四階の人事補助室にはそれがありません。

 みんな用がある時だけ来て、用が済んだらすぐ帰ります。

 だから僕はこの部署、少し好きかもしれません。

 昼、食堂で白石さんに会いました。

 白石さんは厚生課の臨時職員で、いつも配膳をしています。特別きれいな人というわけではないですが、話し方がやさしいです。

 職員食堂とDクラス用の配膳ラインは時間をずらして同じ場所を使います。白石さんはその切り替えもやっていて、台車の音がいつも忙しそうです。

「新しい配属どうですか」と聞かれたので、

「静かでいいです」と答えました。

 すると白石さんが「地下は静かすぎると気が滅入りますよ」と言いました。

 そうかもしれません。

 でも、うるさいよりはいいです。

 帰る時、白石さんはトレーを受け取りながら「お疲れさまです」と言いました。

 食堂では誰にでもそう言っているのだと思います。

 でも地下四階に来てから、ああいう普通の言い方をされることが少なかったので、少しだけ残りました。

9月5日(水) 雨

 今日は朝から職員証の整理をしました。

 返却済のバッジ、血のついたバッジ、焼けたバッジ、表面だけ溶けたバッジがたくさんありました。

 財団では、死んだ職員の持ち物もきちんと番号ごとに分けます。何が後で必要になるか分からないからです。

 梶原さんが、「番号だけ残れば十分なこともある」と言っていました。

 よく分かりません。

 夕方、封筒の束の中に、昨日は見かけなかった顔写真付きの人事ファイルが混ざってました。

 名前は小西誠一。

 第四研究棟の主任研究員だそうです。

 写真を見ると、何となく見覚えがある気がしました。眼鏡をかけた痩せた人で、口元に小さいほくろがあります。

 見覚えがあるのに、いつどこで見たのか思い出せません。

 ファイルの表に赤いスタンプが押してありました。

欠員処理対象

 処理者欄は空白でした。

 僕は梶原さんに聞こうと思いましたが、その時ちょうど梶原さんは電話中で、面倒そうだったのでやめました。

 代わりに、他の転属書類と一緒に、あの木の戸棚の一番下の引き出しへ入れました。

 鍵はかかっていませんでした。

 引き出しの中は妙に湿っていました。

9月6日(木) 曇り

 朝、梶原さんに小西主任の件を聞いてみました。

「小西って誰」

 最初、冗談だと思いました。

 でも梶原さんは本当に分からない顔をしていました。

 僕は昨日見たファイルの顔を説明しました。眼鏡、痩せてる、口元にほくろ。

「そんな人、うちのサイトにいたかな」

 と言われました。

 第四研究棟に行って、廊下の掲示を見ました。

 主任研究員の欄に空白が一つありました。名前が剥がされた跡みたいな白い四角です。

 近くを通った研究員に「ここ、誰でしたっけ」と聞くと、

「最初から欠員ですよ」

 と言われました。

 その言い方が少し気になりました。

 最初から欠員。

 そんなことがあるでしょうか。

9月7日(金) 雨

 戸棚の引き出しをもう一度見ました。

 小西誠一のファイルはありませんでした。

 代わりに、黄ばんだ紙が一枚だけ入ってました。

欠員は補充される。
補充が間に合わない場合、欠員は最初からいなかったものとして扱う。

 古いタイプ打ちでした。

 日付も発信部署もありません。

 梶原さんに見せるか少し迷いましたが、やめました。

 こういう紙は、見せたほうが損することが多いです。

 夕方、廊下ですれ違った清掃員の人の胸に、古い職員証がぶら下がってました。

 写真の顔が、小西主任に少し似ていた気がします。

 でもその人は、こちらを見ませんでした。

 最初からそこにいない人みたいに、静かにモップを押していきました。

 モップの先は赤く汚れていました。どこの床を拭いたのかは聞きませんでした。

第二勤務週 「処理」

9月10日(月) 晴れ

 月曜はだいたい機嫌の悪い人が多いです。

 特に黒田さんはそうです。

 黒田さんは保全部の職員で、地下四階によく来ます。用もないのに人事補助室の机に腰をかけたり、僕の昼食を覗いたりします。

「お前ここ左遷だろ」

 と今日も言われました。

 別に違います。

 配置換えです。

 それに左遷だとしても、わざわざ言う必要はないです。

 黒田さんは僕のカップ麺に消毒用アルコールの匂いがつくくらい近づいてきて、「地下似合ってるよ」と言って笑ってました。

 あまり品のない人だと思います。

9月11日(火) 晴れ

 黒田さんの職員証が、返却箱の中に入っていました。

 朝一番に気づきました。

 本人は昼に普通に来ました。職員証は首から下げてます。つまり、返却箱に入っていたのは予備か、古い方か、何かだと思います。

 でも顔写真は同じでした。

 黒田一成。保全部巡回班。

 こういうことは財団では珍しくありません。予備証の発行も、番号の付け替えもよくあります。

 ただ、返却箱に入っていた証票の裏に、赤鉛筆でこう書いてありました。

処理可

 誰の字か分かりません。

 少し嫌な気分になりました。

 でも黒田さんが午後にまた来て、僕の引き出しを勝手に開けたので、もっと嫌な気分になりました。

「私物は机に置くなよ。ここ共用なんだから」

 そう言いながら、白石さんにもらった飴まで持っていこうとしたので、取り返しました。

 黒田さんは「こわ」と言って笑ってました。

 帰り際、僕はあの返却された職員証を、木の戸棚の下段に入れました。

 ファイルまではありませんでしたが、証票だけでも大丈夫か少し試したかったのもあります。

 別に深い意味はないです。

9月12日(水) 曇り

 黒田さんは来ませんでした。

 保全部に電話をしたら、「黒田って誰ですか」と言われました。

 妙な冗談を言う部署ではないので、本気だと思います。

 廊下の巡回当番表には、黒田さんの欄だけ最初から空いていたみたいに、きれいな空白がありました。

 それを見て、少しだけ息が軽くなりました。

 静かでいいです。

 午後、地下連絡通路で台車を押している灰色の作業服の人とすれ違いました。

 顔を見た瞬間、黒田さんだと思いました。

 でも向こうは無表情で、こちらに気づかないみたいに通り過ぎました。

 胸には職員証ではなく、白い札がついてました。

欠員補助

 と書いてありました。

 字が小さくて、二度見してしまいました。

9月13日(木) 曇り

 今日は地下四階の奥まで書類を運びました。

 人事補助室のさらに先に、低い天井の通路があります。普段は立入禁止になってますが、梶原さんに頼まれて、段ボールを三箱持っていきました。

 通路の先には倉庫みたいな広い部屋がありました。

 灰色の作業服の人が何人もいました。

 みんな無駄口をきかず、黙って棚を拭いたり、古い制服を運んだり、シュレッダーの袋を替えたりしてました。

 汚染防護服の焼け残りや、識別札のついた骨片用ケースまで運んでいました。人事補助室の先でやる仕事とは思えませんでした。

 その中に、口元にほくろのある人がいました。

 小西主任でした。

 白衣ではなく、灰色の作業服を着て、ファイル箱を運んでました。

 僕は思わず、「小西主任」と呼びました。

 小西主任は足を止めませんでした。

 ただ一度だけ、こちらを見た気がします。

 その目は、名前を呼ばれたこと自体がもう関係ないみたいな目でした。

 梶原さんにこの部屋のことを聞くと、

「欠員の補助班。知らなくていいよ」

 と言われました。

 知ってしまった後でそう言われても、あまり意味はないです。

9月14日(金) 雨

 白石さんが食堂で言いました。

「最近、配管修理の人変わりました?」

「どうしてですか」

「前はちょっと大きい人が来てた気がするんですけど、今の人は静かで」

 たぶん黒田さんのことだと思いました。

 僕は何も言いませんでした。

 白石さんはトレーに味噌汁を並べながら、「静かな人のほうが好きですけど」と言いました。

 それを聞いて、少しうれしかったです。

 静かなほうがいいです。

 騒がしい人はいないほうがいいです。

第三勤務週 「保全」

9月18日(火) 晴れ

 昨日は祝日でした。

 今日は朝から第三区画で小規模な収容違反があったそうで、研究員が何人か食堂に来ませんでした。

 そのぶん白石さんは楽そうでした。

 でも野間研究員は来ました。

 野間研究員は食堂でよく白石さんに話しかけます。必要以上に話します。

 献立の話、髪型の話、休憩時間の話、休みの日の話。

 白石さんはちゃんと応対してますが、本当はあまり嬉しそうではありません。

 今日も野間研究員が「今度、地上のほうの店行きません」と言ってました。

 白石さんは「勤務があるので」と笑って断ってました。

 でも野間研究員はしつこかったです。

 見ていて少し嫌でした。

9月19日(水) 晴れ

 野間研究員の人事ファイルは、思ったより簡単に見つかりました。

 研究職は記録が多いです。異動も多いし、監査も多いです。

 だからファイルが厚いです。

 厚いファイルを戸棚に入れると、少し引っかかりました。湿った木が紙を飲み込むみたいな音がしました。

 それでも最後まで押し込みました。

 昨夜は少し眠りが浅かったです。

 別に悪いことをしてるわけではないのに、夢の中でずっとタイムカードの打刻音がしてました。

9月20日(木) 曇り

 野間研究員は最初からいなかったそうです。

 研究棟の職員名簿から名前が消えてました。

 食堂で白石さんにそれとなく聞きました。

「最近、食堂で話しかけてくる研究員の人、減りましたよね」

 白石さんは少し考えて、

「そうですか?」

 と言いました。

「でも今週は静かで助かってます」

 僕もそう思います。

 午後、地下の補助班に書類を持って行くと、灰色の作業服が一着増えてました。

 野間研究員が、段ボールを潰してました。

 白衣よりそっちのほうが似合うと思いました。

9月21日(金) 曇り

 戸棚の引き出しに、また紙が入ってました。

欠員は不足を埋める。
配置は適正に行われる。
気に入ったものは早めに処理すること。

 最後の一文だけ、前の紙にはありませんでした。

 誰が入れているのか分かりません。

 梶原さんかと思ったけど、梶原さんの字ではないです。

 そもそも手書きじゃなくて、全部古い活字です。

 紙の端が少し茶色く、濡れてました。

 地下四階は、紙まで汗をかいているみたいで嫌です。

 それでも僕はその紙を捨てませんでした。

 机のいちばん下にしまってあります。

第四勤務週 「補助班」

9月25日(火) 雨

 今日は朝から停電訓練でした。

 非常灯だけになると、地下四階の廊下は水槽の中みたいな色になります。

 訓練中、白石さんが食材搬入口の前で段ボールを落としてしまいました。

 缶詰が転がったので、僕が拾うのを手伝いました。

「ありがとうございます」と言われました。

 ちゃんと目を見て言われたので、少しうれしかったです。

 白石さんは缶詰を拾いながら、「地下の人って、返す時ちゃんと『ごちそうさま』って言う人が多いですよね」と言いました。

 僕は少し考えて、それはたぶん人数が少ないからだと思いました。

 でも言いませんでした。

 白石さんは「最近、人が足りなくて」と言いました。

 臨時職員が一人、別サイトに回されたそうです。

 僕はその人のことを知りませんでしたが、もし本当に足りないなら補助班から回せばいいのにと思いました。

 でも、あの人たちはたぶん表には出てこないんだと思います。

 欠員は欠員として使うほうが都合がいいのかもしれません。

 サイト内の月報では、人手不足とだけ書かれていました。補助班の人数は最初から数に入ってないのだと思います。

9月26日(水) 晴れ

 地下の補助班に白石さんはいませんでした。

 いるはずがないのに、少し安心しました。

 補助班には、もう十人以上いると思います。

 見たことのある顔も増えました。保全部の黒田さん。第四研究棟の小西主任。野間研究員。名前の分からない事務職員が二人。

 みんな無言です。

 でも手はよく動きます。

 今日初めて気づいたんですが、補助班の人たちは全員、胸の白札の下にうすく前の役職名が透けてます。上から白い紙を貼って隠してるだけでした。

 雑です。

 財団はたまにそういう雑さがあります。

9月27日(木) 曇り

 梶原さんが珍しく機嫌よく、缶コーヒーをくれました。

「仕事、慣れた?」

「はい」

「君、向いてるよ」

 あまり褒められることがないので、少しうれしかったです。

「みんな最初は戸棚を怖がるんだけど、君は静かだから助かる」

 そこで初めて、梶原さんがあの戸棚のことを普通に知っているのだと分かりました。

「あれ、何なんですか」

 と聞くと、

「昔からある備品」

 と言われました。

「サイトを回すには欠員処理も必要なんだよ。収容も人事も同じ。はみ出たものを正しい場所に戻すだけ」

 分かったような分からないような説明でした。

「番号だけ残れば帳尻は合うから」

 とも言っていました。

 でも、そのあとで言われたことは分かりました。

「私情で使わなければ便利だよ」

 つまり、私情で使う人が今までいたのだと思います。

9月28日(金) 晴れ

 白石さんは今日も食堂にいました。

 それだけで少し安心しました。

 でも午後、厚生課の人が地下四階まで来て、臨時職員の再配置名簿を置いていきました。

 白石恵理子。

 来月から中央倉庫勤務予定。

 その文字を見た瞬間、胸のあたりが冷たくなりました。

 中央倉庫は地上です。車両班や外部搬入の人が多く、うるさい場所です。

 白石さんは静かなほうが合ってます。

 それに、ああいう人は変な研究員に見つからないほうがいいです。

 地下のほうが安全です。

 補助班は静かです。

 名前を呼ぶ人もいません。

 僕はその名簿を、しばらく机の上に置いたまま見てました。

第五勤務週 「静かな配置」

10月1日(月) 曇り

 昨日、よく眠れませんでした。

 白石さんが地上で働く夢を見ました。

 地上の搬入口で、知らない男たちに名前を呼ばれてました。何人もが白石さんに指示を出して、笑って、紙コップを押しつけて、荷札を書かせてました。

 白石さんはずっと「はい」と言ってました。

 起きた時、喉が少し痛かったです。

 夢の中で僕は何もできませんでした。

10月2日(火) 曇り

 白石さんに、中央倉庫へ行くんですかと聞きました。

「そうみたいです」と笑ってました。

「ちょっと不安ですけど」

 そのあとで、

「地下四階の人って、みんなやさしいですね」

 と言われました。

 僕はその言葉を、今日ずっと思い出していました。

 地下四階の人はやさしいです。

 少なくとも、余計なことは言いません。

 静かです。

 名前も呼びません。

10月3日(水) 雨

 今日は処理件数が多かったです。

 収容違反で死んだ職員が三人。

 異動が二人。

 欠員処理が一人。

 最後の一人は誰なのか聞きませんでした。

 聞かなくても仕事はできます。

 帰り際、白石さんの再配置名簿を木の戸棚に入れました。

 人事ファイルも、臨時職員証の控えも、一緒に入れました。

 引き出しを閉めた時、いつもより少しだけ重かったです。

 中で誰かが手を添えてくれたみたいに、静かに閉まりました。

 これで良かったのだと思います。

 地上はうるさいです。

 白石さんは静かなほうがいいです。

10月4日(木) 雨

 食堂に白石さんはいませんでした。

 代わりに、知らない年配の女性が配膳してました。

「前の人、異動でしたっけ」と聞くと、

「前からここは一人ですよ」

 と言われました。

 最初から欠員。

 もうこの言い方にも慣れてきました。

 午後、地下の補助班へ伝票を持っていきました。

 灰色のエプロンをつけた人が、食器用コンテナを拭いてました。

 白石さんでした。

 白い札が胸に下がっていました。

欠員補助

 前より少し痩せた気がしました。あるいは、髪をまとめてるせいかもしれません。

「白石さん」

 と呼ぶと、こちらを見ました。

 でも返事はしませんでした。

 ただ、小さく会釈だけしました。

 食堂でトレーを受け取る時と同じ角度でした。

 だから少し安心しました。

10月5日(金) 曇り

 今日は地下の補助班に食器運搬の台車が増えてました。

 白石さんが無言でそれを押してました。

 僕が横を歩くと、少しだけ速度を落としてくれた気がします。

 気のせいかもしれません。

 でも、もし気のせいでも、別に困りません。

 白石さんはもう変な研究員に話しかけられません。

 地上へ回されることもありません。

 静かな場所で働けます。

 補助班は不足を埋めます。

 配置は適正に行われます。

 それに、会いたい時はいつでも会えます。

 今日、戸棚の中に新しい紙が入ってました。

欠員は最初からいなかった。
だから安心してよい。

 最後の一文がうれしかったです。

 少しだけ救われました。

 白石さんは今日もちゃんといました。

 もう誰にも、異動させられません。

 戸棚の下段には、まだ少し余裕があります。